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眠りの守り姫
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ある日、大人の一人が言いました。
「手を使わずに物を動かすなんて、バケモノじゃないか」
すると、別の大人も言いました。
「ケガだって治してしまうんだ。そんなの人間じゃない」
それを聞いた大人達は、次々に言い出しました。
「私たちにはない力を持つあの子は危険だ」
「もしかしたら、僕達を殺してしまう事だってできるかもしれないんだ」
「周りの子供達も、同じ力を持っているのかも」
「私達は、子供に殺されてしまうのか」
「毎日怯えて暮らすなんてご免だ」
「殺される前に、殺してしまおう」
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