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眠りの守り姫
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すると、燃え盛る小屋を強い光が包み込みました。
炎とは違う、優しくて温かい光です。
大人達も子供達も、眩しくて目を閉じました。
けれど、すぐに光は弱まって消えていきました。
小屋を包んでいた、炎と一緒に、消えていったのです。
光が全て消えた時、大人達は涙を流しました。
「何て事をしてしまったんだ」
と、誰かがぽつりと言いました。
あの、強い光に目が眩んだ時、
大人達は、女の子の優しさに触れたのです。
女の子の
『大好き』
という気持ちが届いたのです。
『皆を助けて』
という声が聞こえた人もいました。
ある人には、
『ごめんなさい』
という声が聞こえていました。
「そうだ…。助けに行かなければ」
誰かが言いました。
そうだ、そうだ、と大人達は小屋に近づき、
焼けた扉をこじ開けました。
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