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守り姫の夢
02
ある日、
男の子がいつものように女の子のもとを訪れると、
いつもと様子が違っていました。
眠る女の子の身体が淡く光っていたのです。
男の子は、
もしかしたら女の子が目覚めるのかもしれないと、
期待を込めて女の子に触れました。
すると…。
男の子の周りが眩しい炎に包まれました。
熱く燃え盛る炎の中、
苦しくて焼けてしまいそうな炎の中で、
男の子は声を聞きました。
「助けて、熱いよ」
「息ができないよ」
助けを求める、子供達の声でした。
そしてもう一つ、
助けを求める声とは別の声を男の子は聞きました。
「皆を助けて下さい」
女の子の声でした。
苦しくて薄れていく意識の中、
一心に祈る女の子の声を男の子は聞いたのです。
その時…。
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